よくある誤解 ― なぜ「違法」と思われてしまうのか
「白ナンバーのダンプで土砂・合材を運ぶのは違法だ」→ この認識は誤りです。
緑ナンバー(一般貨物運送事業)との混同
「有償運送」の定義を広く解釈しすぎている
廃棄物運搬に緑ナンバーが必要という思い込み
合材運搬・舗装作業が別物と考えてしまう
まず法律を整理する:緑ナンバーと白ナンバーの違い
| 区分 | 緑ナンバー(営業用) | 白ナンバー(自家用) |
|---|---|---|
| 根拠法 | 貨物自動車運送事業法 | 道路運送法第78条 |
| 対象 | 他人の荷物を有償で運ぶ事業 | 自社業務に附随する輸送 |
| 許可 | 国土交通大臣の許可が必要 | 許可不要(条件あり) |
| 工事現場使用 | 制限なし(本来の用途) | 条件を満たせば適法(従前通りの使用が可能) |
| 廃棄物運搬 | 廃棄物処理法上の許可で対応 | 産廃収集運搬許可があれば緑ナンバー不要 |
密接不可分の運送は有償運送に当たらない
「密接不可分の運送」とは
施工行為そのものと一体不可分であり、切り離せない運搬行為のこと。
アスファルト合材の運搬
舗装作業の一部として適法
残土・土砂の搬出
掘削施工の附帯作業
資材・機器の搬入
施工準備の一部
アスファルト合材の運搬は「舗装作業の一部」
合材はプラントで製造後、一定時間内に敷設しなければならない温度管理上の制約がある。そのため、運搬は舗装施工と時間的・技術的に一体であり、分離不可能。
国土交通省通達でも「施工業者が自ら合材を運搬することは施工の一環」と整理されている。白ナンバーダンプによる合材運搬は「有償運送」に当たらず、従前通り使用可能。
プラント
合材製造
ダンプ運搬
(施工の一部)
敷設・転圧
舗装完成
産業廃棄物の収集運搬に緑ナンバーは不要
「産業廃棄物(残土・コンクリート殻等)を運ぶには緑ナンバーが必要」→ 誤り
対象:他人の「荷物」を有償で運ぶ一般貨物運送事業
産廃の収集運搬はこの法律の管轄ではない
対象:産業廃棄物の収集・運搬
→ 都道府県知事の許可が必要。白ナンバーでも産廃収集運搬許可があれば運搬可能
産業廃棄物の収集運搬に必要なのは「廃棄物処理法に基づく産廃収集運搬業許可」であり、緑ナンバー(一般貨物運送事業許可)は不要です。両者は別の法律・別の許可制度です。
「従前通りの使用が可能」― 実務への影響
法改正・通達変更により、白ナンバーダンプの従前通りの使用は引き続き認められています
🛣️ 舗装工事
- 合材の自社ダンプによる運搬
- プラントから現場までの搬送
- 舗装施工と一体の附帯作業
🏗️ 土工・造成工事
- 残土・土砂の搬出
- 砕石・盛土材の搬入
- 場内・場外いずれの運搬も可
🏢 建築・解体工事
- コンクリート殻等の搬出
- 資材・型枠の搬入
- 産廃許可取得後の廃棄物運搬
🔧 設備・管工事
- 機器・配管材の搬入
- 掘削残土の搬出
- 施工附帯の運搬全般
使用パターン別 OK / NG 判定
合材の自社ダンプ運搬
舗装業者が自社保有の白ナンバーダンプで合材を運ぶ。
請負工事の附帯輸送
施工会社が自社工事の一環として残土・資材を運搬する。
産廃の収集運搬
産廃収集運搬業許可を取得した白ナンバーダンプで搬出。
運搬業務のみを請け負う
工事施工を行わず、運搬だけを有償で引き受けた場合。
他社の荷物を有償で運ぶ
自社工事と無関係な他社の資材・土砂を報酬を受けて運搬。
元請指示による場外搬出
運搬費が別建て対価として明示の場合は契約内容を確認。
グレーゾーンの回避策 ― 契約上の整理方法
工事請負契約に運搬を含める
「土砂搬出・合材搬送を含む舗装工事一式」と記載することで、運搬は施工附帯・密接不可分として整理できます。運搬単独の別契約は避けましょう。
産廃許可と緑ナンバーを混同しない
残土・コンクリート殻等の産業廃棄物を運ぶ場合は、廃棄物処理法の産廃収集運搬業許可を取得すれば白ナンバーダンプで適法に対応できます。
附帯性の証拠を残す
施工日報、配車記録、請求書の記載等で「運搬が施工と一体」であることを記録しておくと、万一の指摘に対しても根拠を示せます。
4つの核心
アスファルト合材運搬は舗装作業の一部
合材の白ナンバーダンプ運搬は施工と一体。有償運送に当たらず適法。
従前通りの使用が可能
法改正・通達後も施工附帯の運搬は引き続き白ナンバーで対応可能。
密接不可分の運送は可能
施工と切り離せない運搬行為(密接不可分)は有償運送の禁止に該当しない。
産業廃棄物収集運搬に緑ナンバー不要
産廃運搬の根拠法は廃棄物処理法。産廃許可を取得した白ナンバーで対応。